バッテリーの復活再生、寿命延命・延長 ・・・ バッテリーの交換はまだ早い!
◆試験目的 : 鉛バッテリー寿命延長器の効果確認
◆試験項目 : 充放電試験
◆対象品名 : (株)エルマ製 『のびー太12』
◆試験実施期間 : 2004/5/20 〜 2004/12/2
◆試験場所 及び : 徳島工業短期大学 自動車工業学科
報告者 助教授 佐藤 員暢
1.まえがき
鉛バッテリーの寿命は、使用状態により異なるものの、2年から5年で廃棄されているのが現状である。
鉛バッテリーの劣化原因は、電極板の化学変化に伴う体積変化による電極板の脱落、また充放電を
繰り返すうちに硫酸鉛の結晶が電極板に付着するサルフェーションと考えられている。
また、バッテリーの劣化要因の70〜80%がこのサルフェーションとも言われている。
本来、バッテリーの電極は10年の使用に耐える設計がなされており、サルフェーションを抑制できれば
バッテリー寿命は飛躍的に延びることになる。
本試験では微弱電流ナノパルスを利用して電極板に付着した硫酸鉛の結晶を除去する装置を装着した
バッテリーの充放電試験と性能回復試験において良好な結果が得られたので報告するものである。
2.装置の概要
本試験に用いたバッテリー延命装置は、
10kHzのパルス電流をバッテリーの電極板に
与えることで、サルフェーションの先端部分から
微弱電流ナノパルスを連続的に発生させ、
硫酸鉛の結晶を少しずつ表面から微粒子分解
するものである。硫酸鉛の結晶は、鉛イオン、
二酸化鉛イオン、硫酸イオン、水となり電極板と
電解液中に戻る。
本装置は充電時にも放電時にも作用するので、
常時バッテリーに接続した状態で試験を行った。
本装置の消費電流は30mAと微弱である為、
バッテリー電圧の低下は殆どないものと考えた。
図1 のびー太12を試験バッテリーに装着した様子
3.試験の概要および試験装置
本試験は、バッテリー延命装置の効果を確認する為本装置を装着したバッテリーと無装着のバッテリーを
同条件で充放電し、10サイクル毎にバッテリーの特性を測定した。 効果を鮮明なものにする為JISに基づく
試験より過酷な、充電時間6時間、放電時間2時間を連続して繰り返す方法とした。
バッテリーの蓄電量を評価する為の放電特性試験は満充電状態から放電電流9Aで放電させ、端子電圧が
10.2Vになるまでの時間を放電時間とした。
放電電流とバッテリー電圧をサンプリング間隔1分にて測定し、データロガーを介してパソコンに記録した。
測定装置のブロック図を図2に、使用機器を表1に示す。
また、バッテリーの出力性能を評価する為、放電電流50Aの高負荷時の電圧降下を図3に示すバッテリー
テスターで測定した。
4.試験結果および考察
バッテリーの出力性能を評価する為の高負荷放電試験
(放電電流50A)において、寿命延長器を装着していない
バッテリーは、充放電回数130回において3V以上の電圧
降下を生じ、不良と判定した。
これに対し、本装置を装着したバッテリーでは充放電回数
300回において約1Vの電圧降下であり、正常な状態を
維持しており、本装置が有効であることが認められた。
本装置を装着したバッテリーにおいて、降下電圧に0.1V
程度の変動が見られるが、これは充電完了時から測定
までの経過時間が異なった為と思われる。 (図5)
バッテリーの蓄電量を評価する為の放電特性試験は、
放電電流を9Aに設定して行った。本装置を装着して
いないバッテリーは充放電回数130回において放電時間
15分で測定終了電圧10.2Vに達し、不良と判定した。
これに対し、本装置を装着したバッテリーでは充放電回数
300回において、放電時間60分程度を維持した。
これにより、本装置が有効であることが認められた。(図6)
図5 サイクルテストにおける高負荷時電圧降下
(試験電流50A)
図6 サイクルテストにおけるバッテリー放電時間
(放電電流9A)
さらに、本装置を装着せずに充放電130回にて
不良となったバッテリーについて、本装置を装着
して200日間の回復状況を確認した結果、
約180日で放電時間140分とほぼ初期状態に
容量が回復した。 (図7)
また、高負荷時電圧降下試験においても、
約50日でほぼ初期状態となり、バッテリーと
しての性能が完全回復した。 (図8)
このことから、本バッテリーの性能劣化の原因は
充放電時に生じたサルフェーションによるもので
あり、本装置を装着することでサルフェーションが
除去出来たものと考えられる。
5.あとがき
鉛バッテリーの寿命が本装置を装着することで
かなり延長することが明らかになったことから、
今後、鉛バッテリーを用いた車両の一層の普及
が促進され、環境問題やエネルギー問題に貢献
するものと考えられる。
さらに、鉛バッテリーを用いている非常用電源
設備においても、ランニングコストの低減が期待
出来る。
本研究は今後も継続し、劣化バッテリーの回復
技術、劣化防止技術の確立を目指したい。
6.参考文献
(1)電気自動車ハンドブック
電気自動車ハンドブック編集委員会編
(2)未来に向かう電気自動車技術
NO.9801 JSAE SYMPOSIUM
自動車技術会 (1998)
(3)高出力・長寿命制御弁式鉛電池の開発
平尾亜矢子・松下電池工業株式会社
SEV第5回研究発表会概要集 (1999)
(4)SEV150のSubaru SamberEVにおける
市場での性能
北條英次 他3名、(株)ユアサコーポレーション
SEV第5回研究発表会概要集 (1999)
エルマシステムの鉛バッテリー寿命延長、機能回復・復活再生効果に
ついての実験結果です。
エルマシステムの装着で劣化の進行が遅くなることとか、装着せずに試験をした
ことで、著しい電圧降下を引き起こし、一旦不良と判定されたバッテリーが、
装着することで回復した様子が分かる非常に興味深い内容になっています。
図8 延命装置装着後の高負荷時電流降下回復状況
(D51RT1 充放電試験 130サイクルにて不良判定バッテリー)
そのバッテリーまだ棄てないでください。
電極板が損傷していない限り、バッテリーはまだまだ使えます。
『エコピュア12』 『のびー太12・24』 『リユース24・48』 で
バッテリーは生き返る!!